日本の本 梅風呂

2010年08月07日

佐川光晴『牛を屠る』

【送料無料】牛を屠る

感想を書く時間がないので、一言。
プロフェッショナリズムについての本。
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2010年06月21日

国分拓『ヤノマミ』



ヤノマミ


読書とは単なる知識を得るための作業ではなく、著者の経験や思考の道筋を追体験する営みなのだと再認識した。


たとえばWikipediaの「ヤノマミ族」の項には、ヤノマミの生活様式や社会や文化がごく簡潔にまとめられている。これを読むと、ヤノマミという民族についてひととおりの知識を得ることができる。しかしそれは通り一遍の表層的な知識であり、ヤノマミを情報として知ったに過ぎない。一方、実際にアマゾンの奥底でヤノマミと生活を共にした著者の文章を読むと、著者と共に森の圧倒的な存在感を感じたり、「ナプ」(ヤノマミにとっての「外人」のこと)としての疎外感を味わったり、文明人の倫理観や価値観を根底から揺るがす光景を目の当たりにしたりしながら、ヤノマミについての理解を深めていくことができる。この経験は、脳みそだけでなく心にも刻み込まれる。まさに追体験である。


情報を仕入れたいだけならWikipediaや百科事典を読めばいい。けれども、物事をより深く、内側から知りたいなら、こうした書籍を読むべきだと改めて思った。


posted by うめ at 21:51| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月20日

町田康『告白』



アンラッキーヤングメン 1


告白


図書館でのこと。カウンターで前に並んでいた女性が湊かなえの『告白』を返却したのに気が付いた。司書にその本を借りられるか尋ねたところ、予約ランキングの紙を指さしながら「いやいや、今『告白』は凄いですよ。予約が200件を超えていて、今予約されても借りられるのは2ヶ月半先です。凄いですよ」と「凄いですよ」を連発した。いやはや恐れ入りました。映画化の影響は凄い(ちなみにあの『1Q84 BOOK3』の予約は400件を超えている)。


仕方がないので、以前から気になっていた町田康版『告白』を借りて帰ることに。ほかに読みたい本が出てきたので途中までしか読めていないのだが、噂に違わずなかなか面白かった。文体の面で言えば、この本の醍醐味は河内弁と妙に思弁的な標準語が入り交じっているところにある。内容の面でこの小説を一言で表すと(こんなに分厚くて饒舌な小説を、しかも最後まで読んでもないのに一言で言い表すなんて、失礼千万なことだけれども)、啄木の「人間のつかはぬ言葉 ひよつとして われのみ知れるごとく思ふ日」。大塚英志の原作を藤原カムイが漫画化した『アンラッキーヤングメン』を思い出した。


時が来たら続きを読むことにしよう。


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2008年06月05日

永井荷風『断腸亭日乗』大正14年8月30日

― 風ありてやや涼し。曝書の旁久しく見ざりし書物何といふことなく読みあさるほどに、暑き日も忽ち西に傾き、つくつく法師の啼きしきる声せはしなく、行水つかふ頃とはなるなり。予は毎日この時刻に至り、独り茫然として薄暮の空打ながめ、近隣の家より夕餉の物煮る臭の漂ひ来り、垣越しに灯影のちらほら輝き出るを見る時、何とも知らず独無限の詩味をおぼえて止まざるなり。
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2008年04月02日

司修『影について』読了

__________

影について

司修
講談社文芸文庫つG1
ISBN-13: 978-4062900003
__________

司修は群馬出身の画家、エッセイスト、小説家。エンデの『サーカス物語』や『遺産相続ゲーム』などの装丁も手がけているらしい。
『影について』は短編連作集で、作者自身が投影されていると思しき主人公「光平」のことが少年期、青年期、老年期をいきつもどりつしながら語られる。作者が画家というだけあって風景や物の描写が絵画的で、非常に色鮮やか。リアルに徹するのかと思えばそうでもなく、時折ファンタジーに乖離していくのに何とも不思議な浮遊感を覚える。
以下、印象に残った部分。

「言葉には、景色以上に歌う人の心が入り込めるが、絵になると、見える景色が形を呼んでしまって、心が隠れてしまう。」

「『いのち』を形にすることは、空気を形にするのに似ていた。空気も、見ようと思えば見えるのだ。見える瞬間があるのだ。だが描くことはできない。人間は心で感じ、心で生き、心の病を持つが、人間の体のどこを探しても心は見つからない。『いのち』は見つけられるのに形とすることができない。」


最近長編を読み続けられない。アーヴィングの『また会う日まで』もスタインベックの『チャーリーとの旅』も栞を挟んだままだ。
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2005年12月13日

都築 響一『賃貸宇宙 (上)』購入

都築 響一の『賃貸宇宙 (上)』を購入した。


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2005年04月02日

頼むから「頑張れ」なんて言わないで下さい。

久しぶりに、酒を呑みながら泣く。正確に言えばもらい泣き。仕事についてポジティブな涙を流せる娘なんて、良くないか? 
大の大人3人、外国産ビールとウィスキーを片手に、へべれけになりながら語る。泣く。


さて、奥山貴宏『31歳ガン漂流』読了。

31歳ガン漂流







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2005年03月13日

重松清『流星ワゴン』読了

重松清『流星ワゴン』読了。

感想は・・・
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2005年02月15日

石田千『月と菓子パン』読了

石田千『月と菓子パン』読了。

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2005年01月26日

Kyoichi tsuzuki "TOKYO : a certain style" 再読

Kyoichi tsuzuki "TOKYO : a certain style" 再読。


再「読」と言えるのだろうか。ここ1ヶ月、いわゆる活字本を殆ど読んでいない。買いためる一方である。翻訳などの作業で英語&日本語とずっとにらめっこなので、活字本を手にとる気が起きない。ううう。

というわけで、Kyoichi tsuzuki "TOKYO : a certain style"は写真集である。僕が持っているのは英語に翻訳されたバージョンで、もちろん日本語版がある。
英語版の方が装丁が洒落ていて、紙質もいい。

Kyoichi Tuzuki is a writer-photographer. He visited & photographed a hundred apartments, condos, and houses in Tokyo area, documenting what he saw there. We can see the real living style of Tokyo. Chaos in the room - many books, "mono", CDs, records, dirty clothes and dishes, rubbish heaps. No resident were photograghed, but only the interior of their rooms. "A certain style" of each residents -students, officers, workers, "freeters", musicians, and designers - may be imagined through these photos.


なーんてな。間違ってそう猫
ラグジャリーでハイソ、おされーな室内を撮影した写真集ではなく、これぞ東京のせっまい部屋の真実! を見せてくれる写真集である。イマジネーションをかきたてられていい。住人がどんな生活をして、どんな夢を見て、どんな飯を食い、どんな女or男と寝て、どう堕落していっているのか、妄想をたくましくするのです。お勧め。


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posted by うめ at 07:44| バンコク ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 日本の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年12月14日

早川いくを『へんないきもの』読了

早川いくを『へんないきもの』読了。

リンク先の「萩原朔太郎研究所」を運営している友人、あつし(翻訳者必携の辞書を出している出版社勤務)から、誕生日プレゼントとして貰った本である。


「こここここ、これが誕生日プレゼント!?」と一瞬びっくりするような書名&内容の本だったが、なかなかどうして、売れているようである。現時点で17刷、16万6千部。朝日新聞日曜日版の快読ベストセラーで紹介されていた。


内容はというと、へんてこりんな生き物たちがイラストと共に取り上げられ、ブラックジョークや下ネタを交えて解説されている。その殆どが海生生物なのは、海が未だに地球のブラックボックスだからであろうか。調査が進んでいるのは海全体の5%、ほんの表層部分だけらしい。

紹介されているイキモノは、こういうやつ。 

・クマムシ→絶対零度、150℃の高温、放射能、6000気圧にも耐える地球最強の生物。
・テッポウエビ→片方のハサミが巨大に発達していて、それをもう一方のハサミにうちつけることで大きな音(衝撃波?)を出し、近くの魚などを気絶させる。

上のような単なる解説だけでなく、クマムシの場合、「このケタはずれなまでの耐久性は何なのだろうか。宇宙にでも進出するつもりだろうか。それとも核戦争を生き抜き、人類の後釜に座る魂胆なのだろうか」、テッポウエビの場合、「同じ指ぱっちんでもポール牧のそれとはかけ離れた、(魚を気絶させるような)衝撃と恐怖の指ぱっちんなのだ」などと筆者が面白可笑しくコメントしているのが、売れている一因だろう。


あつしよ、素敵な本の(; ̄ー ̄)プレゼント、ありがとう。
この本をプレゼントに選んだあなたのセンスに脱帽です。気に入った! でも、この本にでてるイキモノ、まじコワイ。キモイ。夢に出てきそう。ひいー。



↓クマムシ

クマムシ
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2004年12月08日

小林紀雄『Tokyo omnibus - 一人で来た東京』読了

一つ前の記事に引き続き・・・


小林紀雄『Tokyo omnibus - 一人で来た東京』読了。
小林紀雄は、『アジアン・ジャパニーズ』の著者として有名な小林「紀晴」の双子の兄だそうだ。いずれも写真家・ルポライターとして活躍している。(『アジアン・ジャパニーズ』は第3巻まで出版されている。『深夜特急』や『何でも見てやろう』などの旅行本が好きな人は必読かも)


さて、『Tokyo omnibus - 一人で来た東京』の初版が発行されたのは1998年4月10日である。上京して1年以内の若者にインタビューし、彼らの現在おかれている状況、故郷に残してきたもの、東京に対する思いなどが綴られている。
僕が上京したのも丁度その頃のことである。自分と同じ時期に上京した人達がどのように感じていたのか知りたくて、この本を手に取った。


自分が小林紀雄にインタビューされたとしたら・・・


−上京することに不安はありましたか?

殆どなかった。不安より、これから始まる一人暮らしに対する期待感の方が大きかった。上京初日、新しく買った布団が届かなくて、コートを床に敷き、持ってきた服をありったけ引っかぶって眠った。寒くて風邪を引きそうだったことを覚えている。最初の家は小平市、家賃4万7千円、シャワーつき。上京してまず買ったのが地図。そして自転車。その自転車で近くのスーパーとの間を何往復もして、モノを買い揃えた。

−友人や知り合いは。

わりと早くできた。上京一ヶ月にして、b98(リンク先)が頻繁に家に泊まりに来る始末。友人や先輩という点では恵まれていた。友人と遊んで、毎晩終電で家に帰っていた。親友もできたと思う。

−東京の街の印象は?

とにかく人が多い。新宿駅を歩いてみて、「何じゃこりゃ、祭りか?」と思った。自分がよけないと人がぶつかってくる。上京して数日後、東京都庁の展望室にのぼって東京の街を眺めた。同郷の先輩が展望室にある喫茶店でバイトをしていて、ケーキと紅茶をご馳走してくれた。その先輩に彼氏ができていて、少し切なかった。

−故郷に対して。

やはり親を置いてきたという気持ちは強かった。東京行きの新幹線に乗る前、親に今まで育ててくれてありがとうとお礼を言った。照れくさそうにしていたが、数年後聞いた話だと、あのあと両親は泣いてしまったらしい・・。握手して別れた。

−十年後はどうしていますか?

まだ東京にいると思う。夢を実現させる途中段階かもしれない。その10年の間に、外国留学を経験していたい。東京は日本中の人が集まってくる場所だけど、世界中の人が集まってくるニューヨークでしばらく生活してみたい。
でも、20年後は田舎に住んでいるかもしれない。
posted by うめ at 13:18| バンコク 🌁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日本の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月29日

小川洋子『密やかな結晶』読了

翻訳の仕事を納品したので、本を読む。
小川洋子『密やかな結晶』(講談社文庫)読了。
以下は裏表紙より。


『妊娠カレンダー』の芥川賞作家が澄明に描く人間の哀しみ
記憶狩りによって消滅が静かにすすむ島の生活。人は何をなくしたのかさえ思い出せない。何かをなくした小説ばかり書いているわたしも、言葉を、自分自身を確実に失っていった。有機物であることの人間の哀しみを澄んだまなざしで見つめ、現代の消滅、空無への願望を、美しく危険な情況の中で描く傑作長編。


読み始めてすぐに気がついたのが、ポール・オースターの『最後の物たちの国で』、ジョージ・ウォーエルの『1984年』などと系列を同じくする、「ディストピア小説」だなあということである(「ディストピア」とは「ユートピア」の対義語)。というわけで、かなり気に入った。
「最後の物たちの国で」などとは異なり、この小説で失われていくのは「記憶」である。それは「言葉」と言い換えることもできよう。舞台となる島では、記憶(言葉)を失っていく者とそうではない者がいるのだが、共通の「言葉」を失っていく状況は、実社会にも通ずる意味深いものだ。

ネタばれになるので内容は詳しく書かないが、お勧めである。
posted by うめ at 13:24| バンコク ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年11月24日

小川洋子『寡黙な死骸 みだらな弔い』読了

小川洋子『寡黙な死骸 みだらな弔い』読了。

小川洋子といえば『博士の愛した数式』が有名である。この小説は『全国書店員が選んだいちばん!売りたい本 本屋大賞』の第一回で大賞に選ばれたこともあり、かなり売れたようだ。本を読まない文学部生が多いように、漫画やライトノベルしか読まない書店員も多いのではないか、そんな書店員が選んだ本など信用できるのか、などというひねくれまくった考えを持っている僕である。が、新聞の書評で好意的に紹介されていたため、マイナーな『寡黙な〜』の方を先に読んでみたわけだ。

短編集であるが、各編が有機的なつながりを持っている。最初の短編で出てきた人物のその後が次の短編で描かれていたり、同じ建物がいくつもの短編で出てきたりする。現代小説では「語り手(≠作者)の語ることを信用する」ことはできないから、本当に同一人物なのか、同じものなのかを考えることは無意味なことではあるが、読み手に各章の要素をハイパーリンクさせる方法として成功している。
各章が相互にリンクしているわけだから、終わりの方の章になればなるほど同一の(?)事物についての情報・キーワードが蓄積してくる。しかし各章で情報を微妙にずらしてあったりして、読み手に「おやっ」と思わせる点で、うまいなあと感じた。


読みたい人がいたら、お貸ししますです。
posted by うめ at 07:09| バンコク ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年10月11日

村上春樹『アフターダーク』読了

はっきり言って、2つの(もしくは3つ以上の)ストーリーが別々に進行していって、最後の方で関連付けられるという手法には飽きた。『世界の終わりとハードボイルドワンダーランド』では成功を収めていたと思うが、それ以降の作品ではもうご馳走さま。

よく言われているが、作中の「わたしたち」とは誰だ? でも、そんな問いはきっと意味がないんだろうなあ。作中で語り手がころころ替わるが、友人がそれをイタロ・カルヴィーノ的だと言っていたけど、それとも随分違う気がする(きちんと読んでないけど)。

まあ面白くもつまらなくもなかった。・・・・・でも春樹が新作を出すと読んでしまうんだ。やっぱりそこに「何か」あるのだろうか。「何か」があるように感じさせるのが巧いのか。


最近カフカ『カフカ短篇集』をちょろちょろと読み直してみたんだけど、お勧めです。滑稽でシリアスで面白い。
posted by うめ at 21:07| バンコク ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 日本の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年09月27日

『私の愛国心』


友人に影響されて、ナショナリズムやテロリズム、自衛隊派遣、右傾化などについて論理的に考えてみようと思い立った。そこでまず知識を仕入れようということで、朝日新聞の書評で紹介されていた香山リカ『私の愛国心』を読む。

が、あまり得るものがなかった(途中からは飛ばし読み)。
ロジックが甘いのである。
また、アナロジー(AとBの関係をもとに、CからDを導き出す:つまり数学で「2:5=4:Xのとき、Xの値を求めよ」という問題を解く手法と似ている)っぽい推測が随所で行われているのだが、個人と国家という大きく異なるレベルの話を同じ理論で論じようとしているのだ。1:7=126,000,000:X、みたいな・・・。


「この問題はこんな数行でけりをつけられるもんじゃないだろ!」と突っ込みたくなる部分も多々。

しかし、

・現代人は自分の手の届く範囲のことにしか興味を示さなく なっている
・他人に起きた事が自分に起きた場合、どうであるかという 想像力の欠如
・善悪2元的な価値判断しか下さない傾向が強まっている
・それらの一因として、内的不安の打消しや自己肯定の欲求 があげられる

などにはまあ一応納得。

今度はチョムスキーの最近の著作を読んでみようと思う。

posted by うめ at 02:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年09月25日

微熱


昨日からどうも体調がよろしくない。微熱があるようだ。
単身上京してから7年目になるが、年々体調を崩す頻度が高まっているように思う(大学1,2年の頃は年に1,2度程度だったのが、最近は2ヶ月に1度くらいの割合である)。

家族の存在が生活サイクルの安定に大きく寄与していることを大いに実感する。ひいてはそれが健康に繋がるのだ。


あんまり動き回る気がしなかったので、今日は読書の一日だった。平野啓一郎『滴り落ちる時計たちの波紋』読了。



『白昼』『珍事』『閉じ込められた少年』『瀕死の午後と波打つ磯の幼い兄弟』『Les petites Passeions』『くしゃみ』は何というか、高校生などが用いそうな常套的な手法(いわゆる実験小説?)を、プロの作家がわざわざ使ってみました、というアイロニーか?

この短編集の中では、『最後の変身』が一番気に入った。「引き篭もり」をカフカの「変身」と絡めて描いた、極めて現代的な内容の小説である。この小説を気に入ったと言えば、「お前もこういうことを考えているのか」と言われそうで恐ろしいが、まあ多かれ少なかれ、バブル以降に思春期を迎えた世代は共通の時代の病を抱えているだろう。どうでも良いことだが、せっかく独白者がPCに向かって書いているという形を採っているのだから、洋書のように横書き、かつ見開きの左側から読む体裁にしたら良かったのに(実際には横書きかつ見開きの右側から読む形)。
この作品を読んでから『変身』を読み返せば、一層面白くなりそうである。

『バベルのコンピュータ』は、この短編集を薦めてくれた友人一押しだったが、熱に浮かされた頭にはイマイチだった。申し訳ない。
posted by うめ at 18:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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