『橋を渡ったら泣け』 梅風呂

2007年03月16日

『橋を渡ったら泣け』

橋を渡ったら泣け

■3月10日 19:00〜
■@渋谷シアターコクーン
■作:土田英生
■演出:生瀬勝久
■出演:大倉孝二/奥菜恵/八嶋智人/小松和重/鈴木浩介/岩佐真悠子/六角精児/戸田恵子
■ストーリー:明日かもしれない近い未来、日本は未曾有の大災害に襲われた。生き残った数少ない人間は、瓦礫の中、自分達の力で生きていくことを迫られた──。
大災害から1ヵ月以上が過ぎた。ここ、信州・乗鞍岳の近くでは、数名でコミュニティをつくり、共同生活を送っている。人々は、つきとめられない原因を考えるより、現状を受け入れ、とにかく生きていくために冷静になることを選んだのだ。食品会社の倉庫にあった缶詰と湧き水で命をつなぎ、未来への緩やかな絶望を身につけながらも、人々は意外とのんびり暮らしている。
そこに、ひとりの男がやってくる。パンダの観光船で流れ着いたというその男は、自分達以外にも生きている人間がいたという希望と、閉塞し始めていた集団に新しい風をもたらすのだが──。



b98と。台詞の応酬でどうこう、人の心情や成長がどうのこうのというタイプの作品ではない。大災害を逃れた人々が作るコミュニティという「場」を描いた作品。
人が狭いコミュニティの中で権力を握ると、まるで独裁者のように振舞うようになる。そして、それに追随するコバンザメのような者も出てくる。しかし彼がその権力を失ってしまうと、一気にコミュニティの権力構造の最下層に追いやられ、コバンザメは新たに権力を握ったものに媚びるようになる。そういう構造を非常に分かりやすく描いてあった。
決して詰まらなかったわけではなく、十分楽しめたのだけれど、今このタイプのお話を作品として世に出すということは、二番煎じのそしりを免れないような気もする。ジョージ・オーウェルの『動物農場』や、ゴールディングの『蠅の王』などで幾度も語られているではないか、と。テーマや設定に被る部分が多いからこそ、それ以外の部分で「新し」かったり、演技や演出に光るものがあったりしたかというと、そうでもなかったのが残念だ。設定について語ると、その芝居の8割は語ったことになる作品というのは如何なものか。

けれども観劇後、『橋を渡ったら泣け』について、にんじんやでb98と面白く話ができたのでよしとする。
posted by うめ at 23:08| 東京 ☀| Comment(1) | TrackBack(0) | 舞台 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
非常にうまくまとめられているので
特にコメントすることはないよね。

あとはテレビに出てるような俳優さんが
出演していると価格が高くなるとかそういう話くらいだったか。
Posted by b98 at 2007年03月24日 12:19
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