野辺へ出てまいりますと春先のことで 梅風呂

2010年04月25日

野辺へ出てまいりますと春先のことで

先日、仕事のスケジュールがぽっかり空いてしまったので、神戸まで出かけてきた。目的地は「堀文子 いつくしむ命」展が開催されている御影の香雪美術館。
香雪美術館は山手の閑静な住宅街にあった。敷地の日本庭園に足を踏み入れると、外の世界とは違う時間が流れていることに気付く。春の穏やかな日差しの下、遅咲きの八重桜が苔生した地面に音もなく散り敷いていて、海手にある現代的な巨大美術館とはまた違った非日常を楽しむことができた。
展覧会自体も美術館の規模相応にこじんまりとしていたが、1950年代から最近までの作品がひととおり揃えられており、画風の変遷を大まかに掴むことができた。若い頃は、半殺しの鶏を束ねて売り歩くメキシコの老婆を描いた作品など、生き死にの問題に真っ向から挑んだような大作が多いものの、後年はそういった気負いは影を潜め、素材も身近にある小さな動植物へと移っていく。こうした素材への眼差しの優しさが印象に残った。白眉はミジンコを描いた作品。描かれているのは目で捉えることができないほど小さい生き物なのに、その透明な体の中の組織は重なり合ういくつもの銀河のように見えた。


香雪美術館
神戸市東灘区御影郡家2-12-1
会期:2010年3月21日(日)〜5月5日(水)
休館日:会期中無休
開館時間:10:00〜17:00
posted by うめ at 22:34| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/147753543

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。