小川洋子『寡黙な死骸 みだらな弔い』読了 梅風呂

2004年11月24日

小川洋子『寡黙な死骸 みだらな弔い』読了

小川洋子『寡黙な死骸 みだらな弔い』読了。

小川洋子といえば『博士の愛した数式』が有名である。この小説は『全国書店員が選んだいちばん!売りたい本 本屋大賞』の第一回で大賞に選ばれたこともあり、かなり売れたようだ。本を読まない文学部生が多いように、漫画やライトノベルしか読まない書店員も多いのではないか、そんな書店員が選んだ本など信用できるのか、などというひねくれまくった考えを持っている僕である。が、新聞の書評で好意的に紹介されていたため、マイナーな『寡黙な〜』の方を先に読んでみたわけだ。

短編集であるが、各編が有機的なつながりを持っている。最初の短編で出てきた人物のその後が次の短編で描かれていたり、同じ建物がいくつもの短編で出てきたりする。現代小説では「語り手(≠作者)の語ることを信用する」ことはできないから、本当に同一人物なのか、同じものなのかを考えることは無意味なことではあるが、読み手に各章の要素をハイパーリンクさせる方法として成功している。
各章が相互にリンクしているわけだから、終わりの方の章になればなるほど同一の(?)事物についての情報・キーワードが蓄積してくる。しかし各章で情報を微妙にずらしてあったりして、読み手に「おやっ」と思わせる点で、うまいなあと感じた。


読みたい人がいたら、お貸ししますです。
posted by うめ at 07:09| バンコク ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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