梅風呂

2010年07月06日

「パリ20区、僕たちのクラス」




D


今日も仕事が来なかったので、大阪の映画館まで行ってきた。姫路は晴れていたのだが、大阪に近付くと上空を真っ黒な雲が覆い、激しい雨が列車の窓にいくつもの筋を作った。傘は持って行かなかった。しまったと思ったのだが、幸い列車が大阪駅に着くころには小降りになっていた。


映画の舞台はパリ20区にある公立の中学校。移民の多い地区なので、生徒にも当然外国人が多い。アジア系、アフリカ系、中東系、ヨーロッパ系すべてが顔を揃えていて、まさに人種のるつぼである。彼らには一癖も二癖もあって、担任の国語教師フランソワは手を焼いている。揚げ足取りにつぐ揚げ足取り、徹底的な無視、生徒同士の喧嘩。どうにか勉強させようと四苦八苦するフランソワと生徒たちのやり取りが、長回しで延々と繰り広げられる。見ていて決して愉快なものではないのだけれど、妙にリアルな風景にいつの間にか引き込まれていた。そう、妙にリアルなのだ。フィクションではなく、現実に存在する学校にたまたまカメラが入りましたという感じ。調べてみると、Wikipediaに次の説明があった。



フランソワ・ベゴドーが実体験に基づいて2006年に発表した小説『教室へ』を、ローラン・カンテ監督が映画化。ベゴドーも脚本及び主演を勤めている。



なるほど。



24人の生徒が登場するが、全員演技経験の無い本物の中学生である。



本物の中学生だからこそ、あの理由のない青春の苛立ちのようなものを素で見せることができたのだろうか。


台詞の応酬以外に面白かったのは、フランスの公立学校のシステムだ。たとえば、生徒に評価点を付ける会議。教師全員が生徒を1人ずつ評価していく。そしてその評価の場にクラスを代表して生徒が2名出席し、オブザーバーを務めている。日本ではちょっと考えられないシステムだ。あとは懲罰会議。問題を起こした生徒は懲罰会議にかけられ、そこで退学か否かの裁決を待つ。公立学校に退学があるというのも驚きである。日本人的感覚からすると強制退学は究極の責任放棄なんじゃないかと思うのだが、良くも悪くも、フランスでは個が確立しているらしい。役割を超えて、教師も一個人、生徒も一個人。だから問題を起こした者は責任をとらねばならない。


観ていて愉快な作品ではなかったけれど、興味深い映画であったことは確かだ。





映画が終わった後、昔馴染みと天満橋で待ち合わせ。天満橋では天の川に見立てて5万個の発光ダイオードを川に流すというイベントをやっていて、大勢の人で賑わっていた。焼き鳥屋で飲みながら政治の話などをする。気兼ねなく話せる友達というのはいいものだ。


posted by うめ at 18:13| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映像作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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