梅風呂

2008年06月05日

永井荷風『断腸亭日乗』大正14年8月30日

― 風ありてやや涼し。曝書の旁久しく見ざりし書物何といふことなく読みあさるほどに、暑き日も忽ち西に傾き、つくつく法師の啼きしきる声せはしなく、行水つかふ頃とはなるなり。予は毎日この時刻に至り、独り茫然として薄暮の空打ながめ、近隣の家より夕餉の物煮る臭の漂ひ来り、垣越しに灯影のちらほら輝き出るを見る時、何とも知らず独無限の詩味をおぼえて止まざるなり。
posted by うめ at 14:48| 東京 ☁| Comment(8) | TrackBack(0) | 日本の本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。